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ポーランド紀行 世界文化遺産の木造教会

木造建築の文化遺産と言えば日本の専売特許のように思えるが、石文化のポーランドにも世界文化遺産となっている木造建築の教会があることに驚いた。それは、ヤボルとフィドニツァの平和教会である。建てられたのは17世紀の中ごろ、日本でいえば江戸時代の初期にあたる。

(え? これ世界文化遺産と思えるような木造の山小屋風教会)
木造教会1

訪ねたのはヤボルの平和教会である。黄葉の石畳みを歩むと木造の教会が見えてきたが、さほど感動はしない。規模の大きな山小屋とも見えそうな佇まいであり、これが世界文化遺産なのかとも思える外観である。

(中に入ると唖然 主祭壇の上に設えられた巨大なパイプオルガン)
木造教会2

しかし、中に入ると外観からは想像できない荘厳さが迎えてくれるのである。この外観と内観のアンバランスさは何事だ。突如、竜宮城に入り込んだような気分である。バロック様式で煌びやかな内装が訪れる者の目を奪う。

(見事なバロック様式の内装)
木造教会3

ヨーロッパの殆どの地域を巻き込んだ「三十年戦争」の後、オーストリアの皇帝がこの地方に住むプロテスタントのために特例として教会の建築を許可したのだそうだ。そのため教会のシンボルとなるような尖塔や荘厳な石造りの外装は許可されなかったようだ。

(絶えず修復作業が行われている)
木造教会4

教会に入ると中央の主祭壇の上部に置かれたパイプオルガンが際立つ。信徒席に座って約15分間演奏を聴いた。宗教音楽には疎い私ではあるが、見事なバロック様式の中で聴くパイプオルガンの荘厳な響きは、天上界への誘いのようにも思えてくる。精神的な中世に浸ることのできた教会の訪問であった。

(教会に至る小径)
木造教会5


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ポーランド紀行 「こびと」の街 ヴロツワフ

ヴロツワフはポーランド第4の都市でワルシャワよりは南に位置する。心なしか少し暖かい。この街は千年以上の歴史を持ち、時代によってさまざまな国の領地になったため独特の景観を持っている。

(街のそこここに置かれている「こびと」)
小人の街

小人の街5

天候は曇り、雨上がりで石畳みの路地は濡れている。ポーランド滞在も4日目となり石畳の歩き方にも慣れてはきたが、濡れた石畳となると少し不安な足取りになってしまう。ポーランドの旅には硬い石畳のクッションとなる厚底のスニカーがお勧め、ヒールの靴はご法度である。

(濡れた石畳の歩行に注意)
小人の街1

ヴロツワフのメインストリートであるシフィドニツカを通ると可愛らしい「こびと」に出会う。実は、ヴロツワフは「こびと」の街と言われている。学生運動のシンボルだった妖精像が起こりだそうだが、現在街中に200体以上あり、企業がスポンサーになって造られ、年に30体ずつ増えているということだ。

(13世紀半ばに造られた旧市場広場)
小人の街2

ポーランドの古都の多くは市場広場を設置し、広場を見張るように市庁舎が置かれている。交易の中心となっていた市場広場は都市の繁栄のシンボル的存在だったのだろう。

(ヴロツワフ大学前の通り)
小人の街3

(ノーベル賞受賞者を9名出しているという名門ヴロツワフ大学)
小人の街4

広場に面したカフェでコーヒーを飲みながら、広々したヴロツワフ市場広場を
眺める。中世にはこの広場を舞台に、異なる人種の商人が活発な商いをしていたことに思いを馳せる。ひょっとしたら、この石造りの街並みはその当時とほとんど変わらぬ光景ではないのかと思えてくる。

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ポーランド紀行 古都ボズナン

9月25日、古都ボズナンを観光。天気予報は例によって、「晴れ時々曇り処によって雨」である。曇り空で肌寒いが石畳の街は爽やかである。ボズナンは968年にミェシコ1世がポーランドを建国してから1039年までポーランドの首都であった。

(ボズナン旧市庁舎)
ボズナン1

ワルシャワとベルリンの東西交易の中継地として栄え、現在も商業都市として発展している。現地ガイドの話によると、ボズナン人は勤勉でよく働くため失業率も他地区と比べ低いと言うことだ。教育にも熱心で、ボズナン大学はワルシャワ大学、クラクフ大学と肩を並べる国立大学だそうである。

(広場への路)
ボズナン2

古都ボズナンを満喫できるのは旧市場広場である。広場はルネサンス様式の旧市庁舎やカラフルなレンガ造りの建物に囲まれている。観光客の姿はほとんどない。傍らのベンチに座るブロンドの髪の女性が広場の景観にマッチしている。

(カラフルなレンガ造りの建物に囲まれた旧市場広場)
ボズナン3

ポーランドで最古の大聖堂と言われるボズナン大聖堂は、荘厳なバロック建築で旧市街地から少し離れた場所に毅然と立っていた。戦争の被害を受け復元されたそうだが、ずっとボズナンの変遷を見つめてきた重厚さを感じた。さしずめ、日本で言えば奈良の法隆寺と言ったところだろうか。

(ボズナン大聖堂)
トルン3

(忠実に復元されたステンドグラス)
ボズナン4

前日に訪れたトルンに比べると戦争の被害を大きく受けたそうだ。この都市もワルシャワ同様市民の情熱によって長い時間をかけ復元されている。戦争は多くの人命を奪い去ると同時に、貴重な歴史と文化を破壊してしまうことを忘れてはならない。


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ポーランド紀行 心地いい街 トルン

9月24日、ワルシャワからショパンの生家のあるジェラゾヴァ・ヴォラを経由してトルンに向かった。ワルシャワより北に位置するため初冬の佇まいである。ドイツ騎士団によって作られたと言うトルンの街は、日本でいえば奈良のような古都である。

(心地いいトルンの街)
トルン1

日中の気温は15℃程度、セーターにコートをはおり丁度良い。現地案内の女性の話では、トルンは真夏でもエアコンは不要だそうだが、今年の初夏は30℃を越え来年は設置しようかと迷っているとのこと、温暖化は地球規模で進んでいるようだ。

(ドイツ騎士団時代の城壁)
トルン4

トルンは、おとぎの国の小さな町といった感じの心地の良い処である。ガイドブックでも気にすることもなかったが、小さな石造りの街には歴史がぎっしりと詰まっている。これぞ中世ヨーロッパという感じがする。

(旧市庁舎前に立つコペルニクスの銅像)
トルン6

(コペルニクスの生家)
トルン7

ヴィスワ川対岸からの旧市街地の眺めは「ポーランド七景」の一つだそうだ。それにしても、ポーランドに来て改めて思ったことは石の文化である。トルンの街は、石の歩道、石の壁、石の橋、石の城、石の塔、街全体が石で出来ているリトル・ストン・タウンといったところである。

(多数の石の教会が立ち並ぶ旧市街地)
トルン5


街の中心地の旧市街地広場には、14世紀に建てられたゴシック建築の旧市庁舎がある。聖ヨハネ大聖堂を左手に見ながらコペルニクスどおりを通ると、ほどなくコペルニクスの生家が現れる。コペルニクスも歩いたであろう石畳の感触を味わいながら晩秋の古都を散策した。

(落ち着いた佇まいの街並み)
ルトン

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ポーランド紀行 ワルシャワをこよなく愛したショパン

ショパンはワルシャワをこよなく愛した音楽家である。生家はワルシャワの54Kmほど西に位置するジェラゾヴァ・ヴォラの町にある。その庭園には日本の桜を含め、世界中から贈られた花や木が植えられている。訪ねたのは9月末であったが季節はすでに秋、広大な庭園は黄葉が始まっていた。

(静かな杜の中のショパンの生家)
ショパン1

(子犬を連れたショパンに出会いそうな広大な庭園)
ショパン2

「ピアノの詩人」と呼ばれるように、さまざまな形式の音楽を残している。ショパンの作品の中で私は、軽快なリズムで子犬がしっぽを追いかけ回る姿を見て作られたといわれる、愛らしい旋律の「子犬のワルツ」が好みである。

(老舗レストラン ホノラトカ)
ショパン8

(ショパンがお気に入りのレストラン)
ショパン6

(店内に展示されているショパンの楽譜と手)
ショパン4

(コンサートホール フレデリック)
ショパン9

ショパンは39歳の若さで亡くなる。生涯をたどると病魔に侵されながらも恋と失恋繰り返し、それをバネに数々の名曲を創作した偉大な音楽家である。遺体はパリのモンマルトルの丘の近くに埋葬されたが、心臓は姉のルドヴィカによってワルシャワに運ばれ聖十字架教会の柱の奥深くに安置されている。

(ショパンの心臓はこの柱の奥深くに安置されている)
ショパン10

ワルシャワでは、毎日市内のどこかでショパンコンサートが行われている。雨上がりの夕暮れ時、ショパンが足しげく通ったとされる老舗レストラン「ホノラトカ」で食事した後コンサートホールに向かった。50~60人で満席になる瀟洒なホールである。

(ショパンが住んでいたアパート前の新世界通り)
ショパン5

フレデリック・ショパンのピアノリサイタル、演奏者はワルシャワ大学教授のロベルタ・スキーラさんである。「軍隊」・「雨だれ」・「子犬のワルツ」など9曲を演奏、レストランでのワインの酔いも手伝いうっとり。余韻を楽しみながら雨上がりの石畳を踏みしめながらホテルに戻ったのであった。

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