吉野せい賞の表彰式・柳田邦夫さんの記念講演会が行われました

第35回吉野せい賞の表彰式と記念講演会が10月4日、いわき市小川町にある草野心平記念文学館で開かれました。今年は記念講演会の講師が柳田邦夫さんであったことから、来場者が約200名と満席となってしまいました。

表彰式では、小説「瞳」で準賞となった高校3年猪狩彩夏さん、奨励賞の事務職員志賀千尋=本名・宇佐美千尋=さん、司法書士大和田実さん、大学生永沼絵莉子さん、「第36回吉野せい賞」作品募集ポスター優秀賞の中学3年生江部春花さんに、橋本真也委員長から表彰状と副賞、吉野せいの4男・誠之さんから記念品が贈られました。

(奨励賞を受賞した大和田實さん 90歳)
吉野せい賞表彰式

私は吉野せい賞の運営委員の1人として企画の段階から参画しています。準賞となった猪狩彩夏さんの小説「瞳」は、幼い頃に従兄の目を傷つけてしまったという中学二年生の主人公である瞳の心の葛藤を題材にしています。罪悪感に苛まれ、自分の居場所は放課後の理科室しかないという場面設定、少女の心の動きが巧みに描写されています。登場してくる主人公・先生・従兄などの人物像が上手に表現されていることに感心しました。

作品は猪狩さんのものしか読んでいませんが、奨励賞を受賞した「麗子と幸恵」を書いた大和田實さんは、大正11年生まれの90歳です。内容は親子関係にまつわる法律上の矛盾が解決されるまでを描いているということですが、高齢であっても書いてみようという気概を持っていることは素晴らしいことです。

今年は41篇の応募がありました。ジャンル別では、小説が27篇、童話が1篇、戯曲が1篇、ノンフィクションが12篇となっています。また、年代別では10代から90代までありましたが、70代が10人、60代8人とリタイヤ直後の世代に多いのが目につきます。長年書きたくても書けなかった方が仕事からも解放され出筆に傾注しているのではないでしょうか。

柳田邦夫さんの「いのちの危機と言葉の力」と題した講演は、本当の言葉は人間が危機に瀕した状況の中から発せられるというものでした。柳田さんは東日本大震災の後被災地を訪ね多くの人から話を聴いています。話すことや書くことの専門家でもない一般の方が語る言葉の中に真実を感じるのは、その人の背景にある死を直面するような限界的状況がそうさせているというのです。

(著書にサインをする柳田邦夫さん)
柳田邦夫さん

特に印象に残ったのは、「人間は無意識のうちに物語の中で生きている」というフレーズです。人生を物語化するための扉を開くのは、自己に対する客観視です。自分史を書くこと、それは自分の死を創造する行為なのかもしれません。そして、それは死の受容への道標となるのです。
草野心平文学記念館で過ごした半日、大変形而上的な時間でした。

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